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参考文献:世界最高の伝え方

脳は批判的な意見やフィードバックを脅威とみなす。批判によって生じる強い否定的感情は、神経回路へのアクセスを阻害し、認知、感情、知覚の障害を呼び起こす。
米ケースウェスタンリザーブ大学、リチャード・ボヤツィス心理学・経営学教授の研究
The Feedback Fallacy

学生は本能的に、気分が悪くなるような意見やフィードバックを排除し、気分がよくなるようなフィードバックに同調する。
実際、ほめられる頻度が高く、批判される頻度が低いほど、つまりほめ言葉の比率が高いほど、生徒は積極的に行動する。
2020年のEducational Psychology誌に掲載された研究
ED606564.pdf

スポーツの現場での言葉による攻撃は、モチベーションや感情とは負の相関がある。
否定的な行動変容のテクニック(人格攻撃、能力攻撃、からかい、嘲笑、脅迫、冒涜など)は、何ら効果がない。
Journal of Sports Behavior誌掲載の研究
Relationship between coaches' use of behavior alteration techniques and verbal aggression on athletes' motivation and affect. (apa.org)

人の欠点に焦点を当てることは、学習を促進するのではなく、阻害する。「患者にも悪影響を及ぼす」という研究
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27873098/

ほとんどの従業員が、批判的な評価をする同僚から離れ、より肯定的な評価を与えてくれる人と一緒にいようとするようになったというアメリカの研究
https://hbr.org/2018/01/negative-feedback-rarely-leads-to-improvement

ダルビッシュ有選手に関して、「ダルビッシュ(有)さんは年下の選手にも同じ目線で話してくれる」といった佐々木朗希投手のコメント
https://number.bunshun.jp/articles/-/856957?fbclid=IwAR0dMitNcF-wnA9jgrOSkAQDMLAs8S6vlPYNNABzPs6la5xlle8Zt96dEKE 

 

「残念」「がっかり」といった言葉は相手への期待感を同時に伝えることになることでより効果的だという見解
https://www.fastcompany.com/90691653/this-one-specific-word-is-way-more-effective-when-you-need-to-give-critical-feedback 

「これから言うことは、私が君に高い期待を持っているからなんだ。そしてそれにこたえてくると信じている」と前置きして、指摘をしたところ、フィードバックの効果が4割上がった、という実験結果
Breaking the cycle of mistrust: Wise interventions to provide critical feedback across the racial divide. - PsycNET (apa.org)

ティーンエージャーに対する「"あなた"×非難」といった定型文が最も強い敵対心を呼び起こす反面、行動を喚起するという点では最も効果がないというアメリカの心理学者による研究
https://psycnet.apa.org/record/1993-05191-001 

「I feel」メッセージの有効性を最初に提示した「ゴードンモデル」について
https://www.psychologytoday.com/us/blog/cui-bono/201211/are-i-statements-better-you-statements 

元ハーバード大学心理学教授のダニエル・ウェグナー氏が提唱した「何かを考えないように努力すればするほど、かえってそのことが頭から離れなくなる」「皮肉過程理論」
https://blogs.scientificamerican.com/literally-psyched/of-polar-bears-and-consciousness-a-tribute-to-daniel-wegner/ 

質問をし、その答えを自ら考えてもらって、宣言してもらうことで、自分の行動により責任を持つように仕向ける効果がある「質問行動効果」についての研究
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1057740815001102
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/15534510600685409

イギリスBBCの記事による「日本の伝統的企業のヒエラルキーの中で、ほめることはほぼ皆無」「欧米の会社で当たり前のスタイルが通用しない」という分析結果
https://www.bbc.com/worklife/article/20160822-why-you-dont-give-praise-in-japan

 

ハーバードビジネスレビューに掲載された「厳しく批判するよりも、共感力を持って諭すコミュニケーションのほうが、いい結果を生む」という研究結果
https://hbr.org/2015/05/why-compassion-is-a-better-managerial-tactic-than-toughness

言葉による肯定は、お金をもらったのと同じように脳を活性化することを表した研究結果
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0896627308002663 

初級者・若手が、ほめられるのを好む一方、上級者・エキスパートになると、より成長につながる、多少厳しめのフィードバックを好む、という
Tell Me What I Did Wrong: Experts Seek and Respond to Negative Feedback on JSTOR

「1週間にわたって1日1回ほめられた人は、日を追うにつれてその効果が下がるかと予想されたが、毎日同じように明るくなった」というシカゴ大学教授らによる研究結果
Kind words do not become tired words: Undervaluing the positive impact of frequent compliments: Self and Identity: Vol 20, No 1 (tandfonline.com)

人は自分の褒め言葉が相手にどれだけ良い印象を与えるかを過小評価していることが判明
https://hbr.org/2021/02/a-simple-compliment-can-make-a-big-difference 

ポジ3:ネガ1の「ロサダ比」の説に基づいてGoogleがAndroidのデザインを工夫
https://blog.btrax.com/jp/ux-emotions/ 

アメリカのコンサルティング会社の研究が出した「ポジティブが6」に対して、「ネガティブが1」という割合がベストという結論
https://hbr.org/2013/03/the-ideal-praise-to-criticism 

ジョン・ゴットマン名誉教授が結婚生活に位置付けたカップルのポジ・ネガ比
https://hbr.org/2013/03/the-ideal-praise-to-criticism 

業績の高いチームほど、ポジティブのフィードバックの比率が高く、ポジティブなフィードバックほど効果が持続するという研究結果
https://www.aeaweb.org/articles?id=10.1257/aer.20180728 

サンドイッチ話法は効果がないといった分析
http://aabri.com/manuscripts/141831.pdf 

サンドイッチ話法によって叱られた人はネガティブな内容に気づかないといった研究結果
https://www.nytimes.com/2013/04/06/your-money/how-to-give-effective-feedback-both-positive-and-negative.html?pagewanted=1 

ペンシルベニア大学ウォートンスクールのアダム・グラント教授がサンドイッチ話法について、伝える側として、安心感はあるかもしれないが、受け取る側にはまったく効果がない」と主張
https://medium.com/@AdamMGrant/stop-serving-the-feedback-sandwich-bc1202686f4e 

確信を持って、断言する人を、信用しやすくなるという傾向がある、といった研究
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/bdm.460 

プロセスほめ」は内的なモチベーションを高める一方で、「人ほめ」では、子どもたちが失敗に固執したり、恐れたり、簡単にあきらめ、自分を責める傾向が出やすいことを表した研究
https://www.researchgate.net/publication/6360300_Subtle_Linguistic_Cues_Affect_Children%27s_Motivation